忙しくて薬歴を書く時間がない
忙しい職場では、日中は調剤や服薬指導で手一杯で、薬歴まで手が回らない。
そのため、業務内に処理できなかった薬歴を書くために残業が当たり前になっている。
そんな職場も多いのではないでしょうか?
以前、薬歴未記載だったにも関わらず、報酬をもらっていた薬局が大きな事件になったこともあります。
そのようなことにならないためにも、薬歴を書く時間がなくて困っている場合はしっかり対処していきましょう。
薬歴とは?
「薬歴管理」は、薬剤師が行う業務の1つです。
患者さんがこれまで病院で診療を受け、処方された薬の履歴が「薬歴」であり、
それを患者さんごとにまとめ管理したものが「薬歴管理」です。
次のような情報を記載します。
- 処方した薬の名前、量
- 服用した期間
- 副作用やアレルギー歴
- 今までの病歴
- 薬に関する患者さんの意見(カプセルは飲みにくいなど)
薬歴は、患者さんが安心してくるしを飲み続けられるように記録するものです。
聞いたことを忘れてしまって未記入になったり、誤った情報を書いてしまうことは絶対に避けなければいけません。
他の薬剤師が見てもわかりやすく書くことが必要です。
薬歴が残業の最大要因
調剤薬局での薬剤師の仕事は大きく3つに分類できます。
- 調剤
- 投薬
- 薬歴の記載
その他にも在庫管理、発注、メーカーMR対応、薬局の管理業務などをやらなければいけません。
そのため、日中の患者さんがやってくる忙しい時間は調剤と服薬指導に忙しく、
薬歴を書く事に手が回らず後回しになってしまうのです。
薬歴を業務内に書けるようにする解決策
残業しなければ薬歴を書くことができないのが、薬局全体の問題なのか、
または個人の問題なのかかを考えてみる必要があります。
まずは、忙しい原因と改善策を分析してみましょう。
自分の仕事を効率的できるように改善する
他の薬剤師と同じ仕事量でもあなたが薬歴を書くことができていないなら、あなたの仕事の効率を考える必要があります。
薬歴をスムーズに記入するためにも、投薬する際に「何を聞くか、何を伝えるか」を準備してメモしておけば、あとで薬歴をまとめやすくなります
患者さんへの質問も「調子はどうですか?」と漠然と聞くのではなく、「新しいお薬で吐き気や具合が悪くなることはなかったですか?」など具体的に聞くようにしてみてください。
そうすると患者さんは、「はい」「いいえ」で答えてくれるため、薬歴も簡潔に書くことができます。
薬局全体の仕事のやり方を見直す
服薬指導を行うバランスにより、あなたの書かなくてはいけない薬歴が増えてしまっているのであれば、服薬指導の少ない薬剤師にもっと服薬指導をやってもらうように薬局内の仕事の配分の見直しが必要です。
また、派遣社員は投薬がメインとなり、時給が高いので残業せずに帰るため薬歴が残ってしまうという場合があります。そのような場合は、仕事の配分を調節してもらうよう、管理薬剤師など業務の配分を考えている責任者に相談してみましょう。
薬局全体として取り組むことできれば、薬歴管理もスムーズに行うことがきるはずです。 忙しくても少しの空き時間があれば、薬剤師同士で声をかけながら順番に薬歴を書く時間を作るなど工夫することもできるのではないでしょうか。
薬剤師を増やしてもらうように打診する
業務内に仕事が処理できない原因として一番多いのは、薬剤師不足です。
処方箋枚数40枚につき薬剤師1人が基本ですが、その基準を満たしていても処方内容によっては、調剤や服薬指導に時間がかかり薬歴を書く時間がない場合もあります。
人員不足の問題解決には、薬剤師を補充してもらう必要があります。
会社の人事部であったり、経営者にお願いする必要がありますが、まずは店舗の管理薬剤師に相談した方がいいでしょう。
どうやっても変わらない場合
まずは自分でできることからやってみることが大切ですが、一人ですべて解決することは難しいと思います。
薬局全体として解決しなければいけないことは、管理薬剤師や薬局長、店長などに相談してみましょう。
文句を言うだけでは何も始まりません。まずは提案してみることです。
上司もさまざまな仕事を抱えていますので、任せるだけでなく自分も動かないといけません。
しかし、それでも変わらない。上司も対応してくれない。
もうここではやっていけないという場合は、転職に踏み切るタイミングかもしれません。
一度、転職サイトのコンサルタントに相談してみるといいと思います。
あなたの状況を把握した上で、あなたの取るべき選択肢を提案してくれるはずです。
いろいろ努力した上でそれでもダメで選んだ転職は、嫌で辞めた転職とは違います。
ぜひ、転職サイトのコンサルタントにアドバイスをもらってみてください。
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