医薬品卸で働く薬剤師の仕事内容やメリット・デメリット

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医薬品卸会社は、製薬会社から医薬品などを仕入れて病院や薬局などに販売する
製薬会社と病院や薬局との橋渡し的な「物流機能」を担っています。

 

 

医療機関で重要な医薬品が「欠品していて足りない！」となっては、非常に大変なことです。
そのため、大手医薬品卸では、2万品目近くもの医薬品や医療機器を
医療機関に欠かすことなく納品できるよう在庫管理を行っています。

 

 

その他、医療機関との価格交渉や製薬会社のMRと協力しながら製品を案内する
「販売機能」や医薬品の情報提供・収集といった「情報機能」の役割もあります。

 

 

医薬品卸会社では、薬事法により各営業所に管理薬剤師を
最低一人は配置することが定められており、薬剤師の活躍の場の一つです。

 

ここでは、医薬品卸で働く薬剤師の仕事内容や年収、求人情報について紹介します。

 

 

 

医薬品卸会社で働く薬剤師の仕事は？

 

医薬品卸は、様々な製薬企業の製品を揃え、
必要に応じて病院や調剤薬局などの医療機関に届けています。

 

 

医薬品卸会社において医療機関へ直接訪問し営業を担当するのは、
MS（マーケティング・スペシャリスト、医薬品卸販売担当者）です。
MSは文系出身者など様々で、
薬剤師が医薬品卸で働く場合は、管理薬剤師であることが多いです。

 

 

医薬品卸の管理薬剤師の仕事

 

医療機関や薬局への医薬品情報の提供

医薬品卸会社での薬剤師の仕事は、管理薬剤師としてMS（営業）への教育、
医師や薬剤師からの問い合わせへの対応などです。

 

製薬会社にも学術職部門がありますが、
製薬会社の学術が自社製品が有利になる研究資料や文献などを扱うのに対して、
医薬品卸会社の管理薬剤師は、
様々なメーカーの医薬品を扱うため、公平な視点で医薬品に関する資料を扱います。

 

また、医薬品卸会社の管理薬剤師は医薬品の知識だけではなく
「薬事法」「医療法」など法律についての知識も必要です。

 

 

医薬品の品質管理

社内の倉庫内にある医薬品、他の製品が其々の適温で保管されているか、
品質は保たれているかなど医薬品の在庫の管理を行う必要があります。

 

使用期限が迫っているもの、切れているものが流通しないように期限管理や
保管倉庫が清潔に保つように衛生管理にも関わります。

 

 

薬事管理

麻薬や覚せい剤原料、毒劇物、医療機器などいろいろな製品を扱うため、
管理薬剤師は法令の確認や免許や届出の管理業務を行います。

 

違法な取引が行われないように、販売先の免許情報の管理を行い、
無許可販売を行わないように確認を行います。

 

 

社員の教育

医学薬学は日進月歩で、常に変遷していきます。
医薬品に関する知識や薬事関連の知識、製品の品質関連の知識について、
MSや物流社員、内勤者など従業員への研修を実施します。

 

こう言った仕事も製薬メーカーの学術職と近い業務ですが、
医薬品卸では取り扱う内容が多岐にわたります。

 

 

 

医薬品卸の管理薬剤師のメリット・デメリット

 

メリット

• 正社員なので、福利厚生が充実している。
• GW、お盆休みや年末年始など長期休暇が取りやすい。
• 土日休みで働く時間が規則的なので、プライベートの時間を作りやすい。
• さまざまなメーカーの薬を扱うので、幅広い薬の知識を身につけることができる。
• 本社勤務になると経営やマーケティングに関わる事もある。

 

 

デメリット

• 事業所に管理薬剤師が1人という場合だと責任やプレッシャーが重い。
• エリア内でなど転勤がある。（全国規模での転勤は少ない）
• MSより収入が多いことが多く、人間関係に気を使うことも多い。
• 会社によって業務内容に差があり、雑務なども割り振られることがある。

 

医薬品卸における薬剤師の需要と年収

 

医薬品卸業を行う企業は、統合の波の中で現在100以下まで減少しています。
ですが、各営業所に管理薬剤師を配置しなくてはいけないことには変わりありません。

 

 

営業所において薬剤師が果たす役割が多様化していることにより、
薬剤師に求められることは増えていると言えます。

 

 

通常の薬剤師として採用される場合には、年収は500万円程度が全国的な平均ですが、
管理薬剤師として採用されると、年収700万円以上になることも少なくありません。

 

医薬品卸の管理薬剤師に転職するには

 

卸会社では、医療機関のように薬剤師が何人もいる必要はないので求人数は多くありません。
また、医薬品卸の会社は20年前と比べると、大幅に減少しているので、
求人も減少傾向にあります。

 

今いる管理薬剤師が辞める、もしくは新しく営業所ができるタイミングの募集です。
管理薬剤師が辞める場合、後任の管理薬剤師を自分のつてで用意して辞める人も多いので、
ただ待っているだけではなかなか情報が入ってきません。

 

 

そのため、医薬品卸の求人を探す場合は、
薬剤師専門の転職サイトに相談することをおすすめします。

 

 

人材紹介会社では、企業についても多くの求人案件を持っていますし、
管理薬剤師のように募集人数が少ない求人案件については、
応募が殺到しないように非公開求人になっている可能性もあります。

 

 

転職サイトの登録はどこも無料なので、
登録してコンサルタントに医薬品卸会社のそのような求人がないか聞いてみたり、
希望に合う卸の求人が出たらすぐに教えてもらうようにしておくと
小さなチャンスを逃さず掴みやすくなります。