薬局の3つの形態を知っておく
ひとことで「調剤薬局」と言っても、実はその形態は異なります。
大きく分類すると「門前薬局」「マンツーマン薬局」「面分業薬局」の3つに分けることができます。
それぞれの違いを理解したうえで、あなたはどのような薬局で勤務したいのかを考える参考にしてみてください。
調剤薬局の3つの形態
薬局の形態は、大きく次の3つに分類されます。
- 総合病院の前にある門前薬局
- クリニック、医院の近くにあるマンツーマン薬局(点)
- 面分業薬局
大学病院など大規模総合病院の前に並んでいる薬局を「門前薬局」といいます。
大規模総合病院になると1日の来院数は平均2000人を超えることもあります。
また、内科、外科、消化器内科が、循環器内科、産婦人科、小児科、脳神経外科、耳鼻咽喉科、眼科、皮膚科など取り扱う診療科も多岐にわたります。
そのため、門前薬局は総合科目で処方量が多くさまざまな処方を経験できますが、その分業務も非常に忙しくなります。
疑義照会を行う場合は、処方箋上にある問合せ欄の電話番号やFAX番号から病院の薬剤部に連絡します。そして院内の薬剤師が医師に内容確認を行うことが多いようです。
大手のチェーン調剤薬局が最新の機器を揃えて対応していることが多いです。
総合病院は、基本的に月曜〜金曜に外来を行います。
また午後の外来診療の終了時間が早いので、比較的残業がなく土日も休みとなり、プライベートとの両立がしやすい職場環境と言えます。
クリニックや診療所の前に構えている薬局で、その医療機関からの処方箋割合が80%を超える場合に「マンツーマン薬局」と言われています。
形態としては、門前薬局の1種ですが、医療機関と薬局が1対1で存在するので、このような呼び方をされています。
この場合は、メインとする医療機関の科目に偏ってしまうため、皮膚科の医療機関の門前の場合、軟膏剤ばかりを扱うといったような事になってしまいます。
ひとつの医療機関からの処方しか取り扱わないために、見慣れない処方が発生することは少なく、薬局側は在庫管理が比較的正確に行えるメリットなどがあります。
また、処方箋に関する問い合わせなども直接医師に行うなどのお付き合いができます。
マンツーマン薬局は、薬剤師が1〜2名の小規模薬局であることが多いです。
診療所に合わせた営業時間となるため、土曜日は午前中は営業し、平日の1日と日曜日を
休みとするなどの形態となります。
駅前など立地条件のより場所にあり、さまざまな医療機関からの処方箋を応需する薬局を「面分業薬局」と言います。
ランダムに複数の医療機関からの処方箋を扱うため、ざまざまな処方箋パターンを勉強できるという特徴があります。
その反面、薬局はそれに対応する医薬品の在庫管理が非常に大変です。
住んでいる地域に根ざした「かかりつけ薬局」であり、患者の服用歴の管理が行えるといったことが
期待できるため、厚生労働省は診療報酬を手厚くするなど普及を進めています。
大きく3つに分けて特徴を説明しました。
また、業務形態の分類以外にも大手薬局チェーンや中小薬局などによって、経験できる内容も異なります、
それぞれメリット・デメリットを理解し、自分にあった薬局を考えることが大切です。